フィルタリングで損する人

総務省が中心となって、携帯電話各社が未成年者フィルタリングをより一層強化する動きになりました。

記事(1)ITMedia、記事(2)InternetWatch

これが実施されると、未成年者は基本的に勝手サイトへのアクセスは制限されます

ただしすべての勝手サイトへのアクセスが禁止されるわけではなく、ドコモの用意しているフィルターを通過したものについてはOKです。

じゃあ、どんなサイトがフィルターされるのかというとこんな感じ。
ドコモの例>
http://www.nttdocomo.co.jp/service/site_access/access_limit/index.html
アクセス制限の対象カテゴリ

不法(違法と思われる行為、違法と思われる薬物、不適切な薬物利用)、主張(軍事・テロ・過激派、武器・兵器、誹謗・中傷、自殺・家出、主張一般) 、アダルト(性行為、ヌード画像、性風俗アダルト検索・リンク集)、セキュリティ(ハッキング、不正コード配布、公開プロキシ) 、ギャンブル(ギャンブル一般) 、出会い(出会い・恋人紹介、結婚紹介)、グロテスク(グロテスク) 、オカルト(オカルト) 、コミュニケーション(ウェブチャット、掲示板、IT掲示板) 、ライフスタイル(同性愛)、宗教(伝統的な宗教、宗教一般) 、政治活動・政党(政治活動・政党)、成人嗜好(娯楽誌、喫煙、飲酒、アルコール製品、水着・下着・フェチ画像、文章による性的表現、コスプレ)

コトバにするとすごいですね。こんなのを貼り付けるとこのブログもアクセス制限されそうです。

コレで損する人ですが、まず代表者はDeNA

本日のDeNA株価はストップ安です。まあ「モバゲータウン」へのアクセスは半減することが眼にみえてますからねえ。*1

実は、DeNAによって支えられている公式サイトはめちゃくちゃ沢山あります

モバゲータウンからの入会促進は他を寄せ付けない圧倒的な力を持っており、信じられない人数を短期間に稼ぐことができるのです。もちろん、広告費は月額料金の1.5倍(300円のサイトなら一人入会で450円)と、これも圧倒的なのですが、各公式コンテンツプロバイダーにとってはもう麻薬のようになってます。

モバゲータウンからの流入が見込めなくなると、それ以外の広告サイトが盛り上がりそうなものですが、それらの広告サイトもフィルターされてしまってはあまり役に立ちません。

したがって、フィルターが実施されると、短期的には公式サイトも勝手サイト(広告モデル)も一気にしぼみます

ついでに、公式サイトのなかでもフィルターされるものがあります。

「コミック系」

のサイトです。ご存知の通り、コミック系はここしばらく盛り上がりのないモバイルコンテンツ業界で唯一といっていい希望の星で、有料コンテンツの利用者数がグングン伸びている分野です。
TOPのNTTソルマーレは3キャリアあわせると100万人近いとの噂もあります。

ところが、この「コミック系」のサイト、売れ線はほとんどお色気漫画なのです。「みやすのんき」とか「村生ミオ」とか聞くと甘酸っぱい想い出がこみ上げてくる諸氏も多いのではないでしょうか。

で、これらのサイトはブロックされます。すでに契約している未成年者は強制的に解約です。
毎晩、ベッドの中でひっそり読んでくれていた高校生がいなくなるのは大打撃でしょう。

*1:モバゲータウン」については、キャリアから見て無視できないアクセス量なはずなので、フィルターされないんじゃないか、という噂もあります