フィルタリングのつづき

◆現在混乱中

実際のところ、いつごろからどのぐらいアクセスが減るのかまったく予想がつかないため、混乱している模様。

特に影響が大きいのは広告代理店。モバイル専業のところは、すでに1−3月のメディアの仕入れを終えてしまっていますが、押さえた枠がちゃんと予定通りのPVを出せるかどうかの確証は誰にもありません。

まあ、想定PVが達成できなかったら、何ヶ月掛かっても補填してもらいますが。

モバイル広告業界大打撃?

しかし、前回も書いたように、モバイル広告業界にとって大打撃があることは恐らく避けられません。いま、モバイルメディアで積極的に動いているのは圧倒的に10代です。このアクセスが減るのはでかい。特に、公式サイト系の案件はより一層獲得が大変になるでしょう。

一方で、消費者金融や出会い系の広告は元から「未成年には広告を露出させないでくれ」という条件で出してたところもあります。そういうところは変化ないんじゃないかと。

◆本当にアクセスは減るのか?

意外と親名義契約の電話を使ってる人口は多いんじゃないか?という話。

◆コミック系は大丈夫かも?

公式サイトのコミック系がフィルタリングされてしまうことは前に書きましたが、確かに、短期的には未成年者の強制解約で相当の影響が出ることは間違いありません。

しかし、一方で、同じく「フィルタリングされている勝手サイト」に対して広告を出すことはできるわけで、実は集客には困らないのでは?という見方も。

まあ、「勝手サイト」全体へのアクセスが減るとやっぱり困るわけですが。

◆広告料金は上がるか、下がるか

需給バランスがおかしくなることはまず間違いないでしょう。ただ、その時に各メディアが媒体の値段を上げていく方向になるのか、下げていく方向になるのかは未知数です。

音楽系やゲーム系などフィルタリングされていないクライアントが減ることで、需要がガクンと落ち込みます。供給過多になって、値段が下がるだろう、というのが一般的な見方です。

一方で、中途半端なアクセス数だったサイトが勢いを失うことで淘汰される、という見方もあります。効果のある媒体とそうでない媒体がいままで以上にはっきりと区別され、ダメな媒体はどんどん安く、いい媒体は今よりも高い値段に、ということもありえます。

もちろん、勝手サイトもすべてがフィルターされるわけではないので、「フィルターされていない勝手サイト」についてはかなり強気な値段設定になることも予想されます。まあ、いつフィルターされるか分からないわけですが。

上がる可能性も、下がる可能性もあるから、見極めと情報収集が極めて重要。と言うことです。

◆恐慌か、ビジネスチャンスか

これをきっかけに新しいビジネスチャンスが生まれる可能性もあります。
そもそも子どもは禁止されるほど覗きにいきたくなるもので、なにか抜け穴サービスを考えればいいわけです。たとえば、プロキシーとか。昔流行った「パケ割」的なサービスやjigブラウザのようなものですね。

たとえば、プロキシーブラウザで「月間1,000ページまで無料。それ以上は1ポイントにつき10ページ。ポイントがほしかったら提携サイト(クライアントサイト)に登録してね」みたいなのがあれば、結構破壊力のある媒体になりそうですよね。

SNSとかも「大人向けSNSをやればいい。まあmixiも名目上は18歳以上しか使っちゃいけないそうですが。しかし、面白い「大人向けSNS」っていうのは、なんかヒネらないと出会い系になっちゃいそうです。広告入れるのも大変そう。

実際のところ、モバイル業界が恐慌になるのか、ビジネスチャンスになるのかはまだ誰にも分かりません。