消費者金融貸付残高4兆円割れ間近、前年比マイナス24%

日本貸金業協会が月次定例資料を発表しました。それによると貸付残高は4兆200億円、前年比マイナス24%とのことです。月間の貸付金額も10月が920億円、11月が1016億円とこれも前年比マイナス-36%という状況です。経験上、どんな業種であれ、前年比マイナスで20%を超えたら悲惨な状況というイメージです。30%を超えるとなると、もう完全にお葬式ムードなんじゃないでしょうか。
日本貸金業協会 月次統計資料
「お葬式ムード」はグラフにすると一目瞭然です。
(単位:百万円)
一直線に下降しています。2007年4月には9兆4千億を超えていた貸し出し残高が、半減以下になっています。グレーゾーン金利とみなし弁済に関する決定的な最高裁判決が出たのが2006年1月ですから、2007年と言えば猛烈な「過払い返還請求」はすでに始まっている時期です。その時からもう底なしに落ち続けてる、と。

前年比のグラフはこんな感じ。

2010年8月にガクんと来ているのがわかります。2010年6月の総量規制の影響です。

総量規制とは個人の借入総額が、原則、年収等の3分の1までに制限される仕組みを言います。(ただし一部除外または例外となる借入れもあります。)
日本貸金業協会 総量規制とは

消費者金融」というぐらいなので、借り手はお金を消費するために借りています。つまり、ここで貸し出してる金額はそのまま消費となって世の中に回っていくはず。それが減ってるということは、世の中に「消費として」出回るお金が確実に5兆5千億減ってる。ということです。日本のGDP(5兆ドル)から見ればわずか1パーセント強にすぎませんが、デフレの中での消費者金融に対するこの規制が何の役に立ったのかまったくわかりません。

消費税の増税論議もいいですが、いろんな経済現象に対して、できることを必死に考えてほしいと思います。